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【教育は権利だ】FREE京都の高等教育無償化への取り組みをインタビュー!

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教育無償化への取り組みを取材しました。

FREEは、正式名称「高等教育無償化プロジェクト FREE」で、2018年9月から活動している団体です。

高等教育の学費の無償化や給付型奨学金制度の拡充を目指して活動しています。

コロナ禍で多くの学生が経済的な事情によって学業を諦める、あるいは諦めることを検討している中で、FREEは行政に支援を求める様々な取り組みを行なっています。

複数の大学の学生に「新型コロナ感染拡大の学校生活への影響調査」に関するアンケートを実施、現状分析をした上で自治体へ意見や要望を提出し、学生の「リアルな声」を届けています。

今回policyの取材に協力してくださったのは2019年11月から活動する「FREE 京都」の小島(オジマ)さんです。

FREE京都 小島さん
インタビュアー:momota
インタビュアー:sho

(文責:momota)

目次

FREEの活動内容

momota

「FREE京都」の活動内容はどのようなものなのですか?

小島さん:「FREE京都」は去年の11月にできた団体です。東京に同じFREEという団体があります。

(私たちの団体の)正式名称は「高等教育無償化プロジェクト・FREE京都」といいます。高等教育・大学・短大・専門学校・高等専門学校の学費無償化を大学に求めるのではなく、行政、自治体、国に対して、教育費の予算拡充を提案する中で学費の無償化を目指しています。

momota

高等教育の中でも特にその大学生、短大生、専門学校生に訴えかけるため、様々な調査をされていると伺いました。
具体的に、どのような調査をされてるのですか?

小島:調査は、高等学校に通っている人向けに、特にコロナ禍で「今の生活はどうか」ということから、「奨学金は借りているか」「アルバイトをしているか」「アルバイトで稼いだお金は何に使っているか」というような具体的なことまで聞いています。

momota

実は、これはコロナ以前からの問題でもあったと思うんです。
実際、日本はOECD加盟国の中でもGDP比に対する公教育予算が最下位というデータがあります。

小島:そこも問題意識として持っています。

私の自身の問題点の出発点は、FREEに入って初めて「教育は権利だ」と知ったことです。OECDの他の加盟国に比べて日本では公教育が重視されていない。すなわち教育が権利であると認められていないということなんです。

教育を受けることは権利なのに、なぜそこに予算を割かれてないんだ、おかしいんじゃないかと思ったことで主体的に活動をするようになりました。

momota

小島さんが最初にFREEに関わったのはまた別のきっかけが?

小島:この活動を始めた知り合いに声をかけられたのがきっかけです。これまで私は奨学金を受けずに来れたのですが、去年初めて親に「少し借りてほしい」と言われて申請した時、給付型の奨学金申請の結果が出るまで半年ぐらいかかって、「こんなに大変なんだ」と思ったんです。

奨学金一つ申し込むために2週間ぐらいかけて準備しても、結局給付型の奨学金はほとんどの人が受けることができず貸与型の奨学金を申し込んで将来借金になるのが現状です。

そうやって若い頃から学ぶために借金をして、「自分の将来を犠牲にして大学に行かなければならない人」って実は周りにたくさんいるのではないか?と、思ったことがきっかけの一つですね。

momota

それこそ、満額で借りると単純に400万円ぐらい借金を抱え、返還に月1万でも数十年かかるし、これってかなり厳しいものですよね。

活動を通して見た学費問題の現実

momota

「教育は権利だ」とおっしゃってましたが、どういった活動を通してそう感じられたのでしょうか?

小島:FREE京都で、「自分たちが活動するのであれば、勉強しなきゃいけない」ということで、勉強会をすることがあって、まずそこで気がつきました。

勉強会のなかで、諸外国と比べた日本の学費の高さを知ったり、高等教育の漸進的無償化を定めた国連の国際人権規約A規約をほとんどの国が批准してそれぞれの国で取り組みを始めているのにもかかわらず日本は2012年になるまでそれをずっと留保していて、そのあとも具体的な政策は行われず今まできていることなどを知り、「教育は当然受けられるべき権利である」と訴えていく必要があると思いました。

momota

活動されている中で、学生の貧困や経済的な厳しさを目の当たりにされましたか?

小島:アンケートを通じて、私たちが思っている以上に大変な状況に学生が置かれているのだと思いました。

momota

例えばどういったものですか?

小島:アンケートに寄せられた声では、「親が職場で首を切られて、(学費が払えないので)退学するか迷ったけど、今大学4年生であと1年だから、貸与型の奨学金をもう1種増やして卒業することにした。でも、自分は就職決まってたのだけど、内定を取り消しにもされてしまって落ち込んでいる。」というような声を聞きました。

また、今年1年生のFREE京都に参加してくれた子で、地方から京都に4月から住み始めて、親から一切お金が出ないので、奨学金と自分のバイト代で学費・生活費を全て賄おうと思ったけど、(コロナが原因で)アルバイトが見つからない。

給付型の奨学金もオンラインになったせいで振り込みが5月からになってしまって、4月はクレジットカードのリボ払いで生活してたっていう学生がFREEに参加してくださったんですけど、そういう学生(の例)とかもあります。

特に、4月5月は(学校がなかったため)友達が全くいない状況でもあったので、精神的にしんどかったと言っていました。

momota

そうですよね。それはコロナ禍特有の状況かもしれません。
特に地方から1人暮らしでやってきた大学1年生は友達がいない。相談相手がいない中で経済的な負担も増えて、精神的にもかなりきついと思います。

日本の学費問題、行政との乖離

小島:私の大学は去年学費が値上がりしました。国公立大学もここ数十年でどんどん値上げしているんです。

momota

そうですよね。

小島:国公立大学でも初年度で80万円かかりますし、私立になれば安くても120万円かかります。理系だとその倍以上です。父は私と同じ大学を卒業していて父から「安いから良いよ」なんて言われてたんですが、当時は今の半分の学費だったことを知りました。

京都の議員さんと懇談に行った時には、そもそも今の学費の高さを知らないって人も中には結構いたんですよね。

momota

政治家が教育業界の現場のリアルを知らないんですね。

小島:そうですね。年輩の議員さんほど今との乖離が大きいですからね。「(大学生は)遊ぶ金のために働くんじゃないの。学生さんにお金を回すのは多分最後だと思う」なんて言われたこともありました。笑

でも「これだけ(学費が)高いんですよ。給付型の奨学金も全然ないじゃないですか、こういう状況で今のコロナを私たちは迎えているんですよ」と訴えたこともあります。

momota

学生と行政との認識の差があまりにもあるなという印象を受けてしまいます。

小島:あとは、私たちはFREE京都で懇談に行った時、京都府の方から言われたのは、「高校生までは自治体が面倒見るけど、大学生は国の責任」ということでした。

でも、実際に国が面倒を見てくれているわけではないんです。

一方で、京都府議会では、学生のための予算をさらに設けることを要請する取り決めを、全会一致でしました。

また、マンション、アパートで暮らしてて自分の部屋がない、あるいは親もテレワークで在宅のため思うようにオンライン授業を受講できないという声も多く、アンケートでは、オンライン授業を落ち着いて受講できる環境がないと答えた人が40%程いました。その声を届けたら、京都市が持ってる施設を学生のために開放することを決めて頂いたんですね。

さらに、その施設の学生アルバイトを京都市が雇うことで雇用を生み出してくれました。

他にも、感染症対策として各大学に200万円ずつ予算を充ててくれるなど、「学生のために動いてくれたんだ」と思いましたね。

ある議員さんは、京都府が学生のために追加予算を割いた話を今まで聞いたことがないと仰っていました。

momota

少しずつ進んでいる部分もあるんですね。

問題の根元は?

momota

こうした問題の根底にあるものの一つに、最近では大学に入ることが一種の「資格」になってしまっていることも関係しているのでしょうか。

小島:そのようにも言われていますが、教育に予算が割かれていないことが一番の原因だと思います。

momotaさんがおっしゃった通り、高校を卒業して就職するのと大学を卒業して就職するのでは年収の差があるじゃないですか。大卒が条件とか、大卒だと年収がプラス200万違うとかっていうことはざらにあるのが現状です。

だから、無理をしてでも、400万円を将来的に返さないといけなくても大学に行かなければならないと思う学生やその親がいるんだと思います。

なぜ教育費の負担が大きくなってしまったのかと考えたこともあります。

1970年頃、「受益者負担の原則」というものがありました。その教育を受ける人が費用を負担すべきだというこの考え方が広まったことで教育への予算も削られていき、教育を受ける側の負担が大きくなっていった経緯があるんです。

今は「受益者負担の原則」はないのですが、当時の名残がある風潮なのかもしれません。

でも、教育は社会のためにあるべきだと思います。

良い教育を受けて稼げるような人がたくさん出たら、国も地域も豊かになるのになんて思ったりもします。

例えばツイッターなどでは「自己責任だ」「じゃあ大学辞めて働けばいいじゃん」という声をしばしば聞きます。そしてそういう考え方が、日本の国民全体にかなり浸透してしまっているんじゃないかなと。

そこが日本の教育予算の拡大を邪魔した一つの原因ではないかと感じました。

momota

FREEの活動は「全ての人への無償化」を標榜していますが、貧困層の方だけではなく、全ての方を対象にした理由についても伺いたいです。

小島:それはやはり「教育は権利だ」ということです。

裕福でも貧しくても、出身がどこであっても権利は平等であるべきだと思っています。

だから、貧しい人だけでなく「全ての人に」ということを大事にしています。

momota

ありがとうございます。

FREEの目指す未来

momota

FREEは今後はどのように活動されていくのでしょうか?

小島:今、またアンケート取っています。

「秋学期の学生実態調査」を行っていて、そのデータを元に京都府議会へ陳情書を提出し、行政の方々との懇談や各会派の議員さんともお話したいなと思ってます。

あとは、社会全体で「自己責任論」から脱して、「教育は全ての人が受けられるようにすべきだ」ということを、政府だけが決めるんじゃなく、国民全体の総意にしたいと思っています。

8月には京都の方で、路上に立って、リレートークという形で学費の無償化を訴える活動をしました。

コロナウイルスの影響でこの活動は今後どの程度できるかはわかりませんが、これからも、政府行政や学生以外の人にも声を届けられる活動していけたらなと思ってます。

momota

僕ら(policy)も、学生にとどまらずこれからの社会を担う若者の方々に、声を届け、声を発信して欲しいと思っています。
しかし多くの若者は問題意識を持っていない(気づいていない)のが現状だと思います。

momota

最後に、FREEでこうした活動をされている(問題意識を持って積極的に発信している)小島さんからメッセージがあれば、お願いします。

小島:今回の「コロナ禍」で多くの学生やその家族にとって学費の問題が身近になったと思います。学校に対して「オンラインだから施設代をなくして欲しい」ということだけでなく、もともと高い学費に対して「なんで学費って高いの」というところから出発していて「学ぶ権利」を考えてみて欲しいです。

「自分は恵まれてるけど、年収があと300万低い家庭だったら、大学行けたのかな」という考えをもつことからスタートして、学問を大切にして欲しいです。もっと自分のために何か学んでいただきたいです。

会社のために大学に入るのではなく、自分のために、社会のために学んで自分の送りたい学生生活を送って欲しい。

「学び」という視点を各自の中に持って欲しいなとすごく思います。

momota

ありがとうございました!

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