治療から予防へ
予防医療とは?
従来の医療の取り組みとして、不調を感じて病院に行き、病気と診断されて、薬を飲むのが一般的だと思います。
医療には、身体に異常を感じてから医療機関に赴き、検査や診断を受けて、治療を受けるという一般的なイメージがあります。
しかし、私たちの心と身体は、健康か病気か、どちらかにはっきりと区別できるものではありません。
身体に不調を感じなくても健康診断上での検査値は異常と示されていることや、そうであってもそれまで通りの生活を続けている人もいます。
医療は治療することだけではなく、病気の重症化や再発など、病状の悪化の予防も含まれます。
健康な人が将来病気にならないよう取り組むことが予防医療の原点です。
予防医療の三段階
予防医療には、主に次の3つの段階があり、それぞれの段階に応じて目標を設定し、取り組むことが必要です
一次予防
食生活など生活習慣を改善し、適度な運動によって健康的な体を維持したり、予防接種を受けるなどして、病気を未然に防ぐこと。
例:適切な食生活、運動、禁煙、ストレス解消
二次予防
定期健診や検査などで早期に病気を発見することにより、病気の早期治療に取り組むこと。
例:健康診断、人間ドック、臨床的治療
三次予防
病気になっても適切な治療などにより病気の憎悪防止に努めたり、リハビリテーションにより、病気の回復や再発防止を図ること。
予防医療はなぜ必要なのか
予防医療がなぜ必要かというと、原因は高齢化社会にあります。
基本的に病気を患う人の割合は高齢化するほど大きくなり、高齢者ほど病気のリスクが高くなります。
内閣府 の「平成28年 高齢者の経済・生活環境に関する調査結果(全体版)」によると、1980年には、男性が約19万人、女性が約69万人でした。
占める割合としては男性4.3パーセント、女性11.2パーセントが高齢者人口です。
2010年には、男性が約139万人、女性が約341万人となり、急速に増加しています。
占める割合としては男性11.1パーセント、女性20.3パーセントが高齢者人口という結果になっています。
2025年には、男性が約230万人、女性が約470万人、高齢者人口に占める割合は男性14.6パーセント、女性22.6パーセントにまで増加する見込みです。
高齢化しても健康でいられるために予防医療が必要なのです。
まとめ
健康診断をきっかけに、食事、運動、禁煙などの生活習慣の改善に取り組み、以前より検査値が適正になった人もいます。
これからは「病気になったら病院に行こう」ではなく「病院に行く前から健康に気を遣おう」という意識改革が必要になります。
「予防医療」という言葉になじみがないかもしれませんが、、これから更に拡充していき、健康な日本社会を築きあげましょう !

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