コラム

日本が考えるべき現代公教育の3つの問題点(By タカジュン)

日本が考えるべき現代公教育の3つの問題点

今日は日本の公教育に関する3つの問題点について書いていこうと思います。

シルバー民主主義は若い世代の将来を潰している

日本の教育は問題だらけというのが現状です。

では、具体的にどう問題があるのかということを整理したいと思います。

まず、日本はシルバー民主主義であるという点です。

高齢者扶養率というデータがあります。

このデータは、15歳以上の年代の人口に対する65歳以上の高齢者の人口の比率を表したものですが、2016年のデータでは約44%となっています。

44%は高齢者の人口に占める割合としてかなり大きく、政治家が訴求するには無視できない比率です。

しかも、若い人は投票に行かない上、社会的地位や貯蓄額も低い傾向にあります(組織票や献金に繋がらない)。

結果的に政治家は若い人の意見より高齢者の意見を聞き、予算もそれに応じて配分されるという結果になっているのです

1990年には47兆円だった社会保障給付費は2017年には114兆円に増大しています。

現状、高齢者の生活を安定させるという仕事は政治家にとって最重要最優先のタスクとなっていると言っても過言ではありません。

それに比して教育費は軽んじられ、合計では増加の推移をしているものの日本の公的教育のGDP比は3.47%であり。低い水準となっています。

2017年現在、アイスランドは7.71%、デンマークは7.63%、スウェーデンノルウェーは7.55%と、やはり北欧諸国は高水準です。

また、フランスは5.46%、イギリスは5.54%、ドイツは4.81%、アメリカは4.99%と、日本はG7諸国の中でも低い水準にあるとわかります。

 

このように、日本の公的教育費GDP比は低水準に止まったままで、成長や増税による税収増は教育に全く反映されていないという現状なのです。

 

若い世代がいくら頑張ってもその世代にお金は使われず、お年寄り世代にお金が流れていく構造ができてしまっていると言えるでしょう。

親によって将来が決まってしまう子供達〜教育格差について〜

「親によって将来が決まってしまう子供達」が社会には存在します。

「正確には親の経済状況によって将来の選択肢が狭まってしまう子供達」の事です。

子供の教育にはお金が掛かる

まず私自身の話をしたいと思います。

私は現在親からの支援を頂き、大学に通わせてもらっています。

大学4年間在学するための費用は数百万円

とても今の私に払えるものではなく、小学校の頃から含めれば何千万という莫大なお金・時間・愛情をつぎ込んでくれました。

本当にありがたいです。感謝の言葉がつきません。

しかし、小中までは良いとしても、誰もが高校・大学の何百万円という学費を払えるというわけではありません。

公立高校から公立大学に通っただけでも2000万円以上の養育費(食費等含め)が掛かると言われています。

当然、大学に行けるか行けないかも親の収入に関わってきます。以下のようなデータがあります。

  • 年収200万円以下の場合、大学への進学率は28.2%
  • 年収400万円の場合は43.9%
  • 年収600万円の場合は49.9%
  • 年収800万円の場合は54.8%
  • 年収1000万円以上の場合で62%

2015年 日本労働組合総連合会より

親の年収によって教育を受けられるかどうかの幅も狭まってしまうのです。

学歴によって生涯賃金が変わるという事実

こちらのデータを見てください。

  • 男性の学歴別生涯賃金(退職金)
大学卒 286,532,740円
高専・短大 239,717,440円
高校卒 240,064,980円
中学卒 197,715,080円

※図4 男性の学歴別生涯賃金

 

  • 女性の学歴別生涯賃金(退職金)
大学卒 235,788,500円
高専・短大 201,250,480円
高校卒 184,106,620円
中学卒 148,085,240円

※図5 女性の学歴別生涯賃金

賃金データは厚生労働省・平成28年賃金構造基本統計調査から、

退職金データは平成25年就労条件総合調査から推定

 

『高卒と大卒の生涯年収の差は約5千万円ほど開き、中卒と大卒では8千万円以上の差が開いています。』

NIKKEI STYLE/マネー研究所より引用

その結果は新卒市場に乗れるかどうかや社会的な信用を得やすい等様々な要因によると思いますが、学歴によって生涯賃金が変わってしまうというのは相対的な事実としてあると思います。

親の年収によって子供が高学歴になれるかどうかが決まり、生涯賃金が決まってしまうという負のスパイラルに陥ってしまっているのです。

子供の人生は親で決まってしまう部分がどうしてもあります。

やっぱり稼ぐ事は大事

「人生はお金じゃない」と思うかもしれませんが、お金があるに越したことはないしお金がある人の方が統計的に幸せであることを示す研究結果もあります。

加えて、稼いでくれないともし政府が年金が払えないという事態になった時に生活の保障ができませんし、社会保障を維持を維持するために必要な税収も増えません。

国民の生活は50、60年後に「詰み」になる状態にきているのです。

今からでも、誰でも質の高い教育を受けられるようなシステムを整えなければなりません。

理想論かもしれませんが、やらないと日本は本当に詰んでしまいます

今の教育に必要なことはお金を稼ぐための教育だ

最後は、「今の教育はお金を稼ぐための教育になっているのか」ということについてです。

そもそも教育の目的とは何なのかということから、最適な教育内容はどんなものなのか、について考えて行きたいと思います。

そもそも教育は何のためにあるのか

さて、そもそもの話ですが、教育はなんのためにあると思いますか?

まず思い浮かぶのは「子供達が将来豊かに暮らすため」という目的です。

しかしまた、教育には投資という側面もあります。

教育という投資を受けた子供達が将来労働をする。

そのことによって、親にとっては老後を支えてくれたり、政府にとっては将来の納税者になってくれたりするという側面があるのです。

このようなデータがあります。

  • 大卒者・院卒者一人当たりの費用便益分析(平成24年時点 試算)
費用
(大学・大学院卒業者の公財政への貢献)
2,537,524円
便益
(大学・大学院卒業者の公財政への貢献)
6,084,468円
一人当たり効果額 3,546,944円

上記の国立教育政策研究所の研究によると、日本が大学教育に掛ける1人あたりの費用と便益(税収増加や失業給付額の抑制、犯罪費用の抑制等によるもの)はそれぞれ250万円と600万円になり、差額の350万円は大学教育の社会的効果として示されているのです。

要するに1人が大学に行けば政府は350万円を将来獲得することになります(高卒者と比べ約2.4倍の効果)。

この投資が成り立たなくなれば負債となってしまい、次の若い世代に負担がのしかかってしまいます。

なので、公教育を改善しようとする時は、子供の幸福と同時にどういう教育内容であれば将来の投資になるのかを考えなければなりません。

少なくとも、政府による財政出動や社会保障を維持しなければいけないという仮定がある限りはそうせざる得ないでしょう。

では、お金を稼ぐために必要な事とは何なのか?

お金を稼ぐとは主に仕事をすることです。

つまり、教育の目的をお金を稼いでもらうこととするなら、教育は最低限の教養を得る事と同時に仕事ためにあるべきものなのです。

経営コンサルタントのゲイリー・ハメル氏は、ビジネスにおける能力ピラミッドを以下のように示しています(1が下で6に近く程上になる)

能力ピラミッド

1・従順 最底辺は「従順」。毎日欠かさず出勤して、指示通りにルールや手順すべてに従うこと。
2・勤勉 仕事を途中で投げ出したりせず、優れた成果を出すことに責任をもち、骨身を惜しまずに働く。
3・専門性 知性あるいは個人としての力量。
しかし、こういったものは、インドでも中国でも低開発諸国でも獲得できるので、これから企業が生き残っていく競争力としての源にはならない。
4・主体性 主体性を持った人材は、課題や機会を見て取るとすぐさま行動を起こす。
職務説明書に縛られる指示待ち族とは違い、生まれつき積極性を備えている。
5・創造性 常識に挑戦する意欲を持ち、いつでも素晴らしいアイデアはないかとよその業界の様子を探るような、そんな資質である。
6・情熱 仕事の使命、社会をよい方向に変える手段と捉える姿勢である。
彼らは仕事に自分のすべてを傾ける。

日本人はこれらの能力をどのくらい持っているのでしょうか。

日本人は従順性、勤勉性は異論なく付いていると言えると私は思います。

日本の教育は特に小中で従順さが求められ、大学教育で勤勉さが求められます(ただ、逆に日本人は怠け者だとする意見もあります)。

専門性は微妙です。日本は、専門的な教育は高等学校から行い、大学教育も特に文系では仕事の内容とピントがずれてることがあります。

主体性、創造性、情熱については小中の教育で特に不足していると感じる人は多いです。

日本では基本的にカリキュラム以外のことは教えません。

ディスカッションが少ないため主体性を持って何かを選択することもないし、創造性を持って問題に回答するということは少ない傾向にあります。

説明に従順性、勤勉性、専門性は発展途上国でも得ることができると書いてあります。

発展途上国のように比較的教育レベルが低い国でも確答する能力を身に付ける事ができるということは、先進国の日本で身に付けられるのは当たり前とも言えます。

つまり、日本において、教育では、主体性、創造性、情熱が改善・強化しなければいけない課題と言えるのです。

もちろんこのことは問題とされ、今までの教育界では様々な改善策が練られてきました。

中でも「ゆとり教育」は数々取られてきた近年の教育対策の中で一番賛否が沸き起こったものだと言えるでしょう。

政府の対策「ゆとり教育」

「ゆとり教育」とは、簡単に言うと「個性重視の考えのもと、これまでの追いつき型(詰め込み型)教育の見直し」をしたものです。

要するに先ほどのピラミッドで言う4、5、6の能力(主体性・創造性・情熱)を上昇させるような授業を増やし、学習量や競争性を減らそうという取り組みです。

その結果、ご存知の方も多いと思いますが、「ゆとり教育」がピークの時に日本は国際的な学力が低下しました。

OECDの学力調査(PISA)では正答率が低下し、国際数学・理科教育動向調査 (TIMSS)でも日本の数値は低下しています。

これが批判され、ゆとり教育見直しのきっかけとなったのです。

ゆとり教育は学習量や競争性を緩くし思考力を上げるという考え方ですが、そもそも日本の教育は脱落者が一定数存在するという問題があります。

教育七五三と言い、高校で7割・中学で5割・小学校で3割が落ちこぼれるという現実があるのです(高校までに実に半数以上が落ちこぼれになる)。

日本の教育ではこうした「落ちこぼれ」へのケアができてないにも関わらず、「ゆとり教育」によって学習量や競争性減らしてしまいました。

国際的な学力低下に繋がるのも頷けます。

とはいえ一方で、「ゆとり教育」によって不登校の学生が減ったと言う精神的なメリットや、「国際的なテストの正答率が減ったからと言って学力が低下したと言えるのか」という疑問の意見もあります。

事実、総合的な学習の時間を始めとした思考力や問題解決能力を育ませるための授業や勉強内容を選択科目にしたことがプラスに寄与したのは予想に難くありません。

現在そうした事情を受けつつ、政府は「脱ゆとり教育」「センター教育廃止」などの詰め込み型教育を復活させ、最低限現代に合わせた路線に根ざした教育改革を行なっています。

しかし、政府が変えられることには限りがあり、「子供には〜を学ばせて欲しい」と言う教育関係者、教育委員会、親の意見を聞かねばならず、抜本的に変えられないのは事実です。

今、真剣に教育内容について議論すべき時が来ていると思います。

どんな教育内容が最適か

それでは、どんな教育内容が子供の幸福になり、将来の投資(稼いでくれること)に繋がるのか考えていきたいと思います。

ピラミッドの話に戻りますが、これからの時代ピラミッドにおける3〜6(専門性、主体性、創造性、情熱)の重要性は強まっていきます。

これは明確に数値を出せませんが、日本は仕事に必要なことを学んでいないという点と不必要なことを学んでしまっている部分が多いと思います。

その例を3つ程挙げてみたいと思います。

まず、日本社会は言うまでもなく「民主主義」であり「資本主義」です。

「民主主義」と「資本主義」。つまり政治経済については、公民の高等教育の選択科目で基礎的な理論しか教えられません。

世の中の仕組みを全く知らずに社会に出てしまっているのです。

基本的な社会の仕組みを知らなければ、間違ったことをしても気づきにくくなってしまいます。

次に、ビジネスに必要なこととは何か、意見が分かれますが、ビジネスで重要性が増しているofiiceやプログラミングについて小中で深く教えられることはありません。

これは専門性を強めるために必要なことです。

最後に、古文や漢文などの仕事、ビジネスにおいて必要性のないことも教えられています。

もちろん無駄とは言いませんが、子供の将来を考えて優先順位をつけるということが必要だと思います。

選択科目化あるいは時間量の縮小をすべきなのでは無いでしょうか。

まとめ

以上、今の教育に必要なものは何か、という事を述べてきました。

みなさんは今まで行われた教育改革をどう評価し、日本の教育をどのように変えるべきだと思いますか?

是非、あなたの意見をコメント欄に書いて教えて下さい!

 

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タカジュン
本名高野純市。政治の情報を毎日発信する学生ツイッタラー。青山学院大学在学。WEBメディアでの民間経験を経て、政治家の事務所インターン生に。その後、WebメディアPolicyを立ち上げ。政党学生部部長。

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