コラム

【熊谷vs鈴木】これで丸わかり!千葉県知事選挙(By うの)

千葉県知事選挙のすべて

県知事選挙、候補者に必要なのは?

県知事選挙の候補者は、3バンの中でも看板が必要になる。3バンとは地盤・看板・鞄のことを言い、当選に必要な3要素だ。県知事選挙は投票者が多くなるために、地盤だけでは勝てない。県民誰もが知っているような候補者がそれだけ当選に近づくのだ。そういった経緯もあり、元芸能人や元スポーツ選手などの人が知事に出馬するケースが目立つ。

3バンとは?

地盤

政治家・予定候補者が定着して活動していて一定の支持者を持つ地区、より具体的には選挙区内の支持者の組織(後援会)を指す。

看板

知名度。看板のように市中に知られている(目立つ)喩え。あるいはそのイメージキャラクターに採用されるような(誰もが知っている)有名人。「看板のない」候補は自分の存在と名前を知らせる必要が生じ、不利となる。

選挙資金。札束が沢山入った鞄をイメージした喩え。選挙公営にもかかわらず資金が要るとされる主な理由は、高額な供託金(国政選挙では100万円単位)の他、選挙期間前に行われる事実上の選挙対策(政治活動・地盤培養行為扱い)に必要な事務所経費(賃料・人件費・通信費)・交通費や後援会活動費(機関紙・部内資料・ウェブサイト・ポスター・街宣車など)などがある。その他、立候補するために退職すると落選した場合無収入となるリスクがあり、資金があるか再就職に心配のない組織型候補が出やすい。

(wikipediaより)

党が候補者を選定する際に、知事選においては知名度・行政経験・「政治家」であるかを見る(私の個人的な見解だが)。その選定だからこそ、有名人の起用、もしくは参議院議員の起用が多い。今回の千葉県知事選挙では、自民党の候補者選定はかなり遅いと言われている。その理由を解説するとともに、千葉県の政局について楽しみつつ知ってもらいたい。

熊谷俊人vs鈴木大地!

ここで次県知事選挙で対立軸となるであろう両者を紹介する。

熊谷俊人

熊谷俊人氏(くまがい としひと)は奈良県の天理市に生まれ兵庫県神戸市で育つ。早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業し、NTTコミュニケーションズ株式会社に就職。2007年、千葉市稲毛区から民主党候補として立候補しトップ当選を果たす。その後、民主党の躍進と当時の千葉市長の汚職もあり千葉市の状況は一変。2009年6月に千葉市長に当選する。現在3期目。千葉県知事選挙に意欲を示す。

鈴木大地

鈴木大地氏(すずき だいち)は千葉県習志野市出身で船橋市立船橋高校に進学。高校3年生のときに1984年ロサンゼルスオリンピック代表に選ばれ出場。その後、順天堂大学に進学する。多くの大会で金メダル獲得を果たし、1988年、ソウルオリンピックの100m背泳ぎに優勝し、日本競泳陣16年ぶりの金メダルを獲得した。現役引退後は指導員を経て初代スポーツ官庁長官に就任し、5年間の行政経験を持つ。

ここで、多くの方が「なぜ鈴木大地なんだろう?」と思ったのではないだろうか。確かに、政令市の行政経験を考えれば県知事に推す人が多いだろう。なぜ両者が対立軸となるまでに至ったのか解説していく。

千葉県に存在する2つの派閥

自民党千葉県議会には2つの派閥が存在する。一つは河上茂県議会議員率いる京葉政経研究会、もう一つは石井準一参議院議員率いる自民党ちば21の二つである。以下、河上派石井派と呼ぶ。千葉県では南部は石井派が強く、北西部は河上派が強い。元は京葉政経研究会のみであったが、石井氏が新たな勉強会を立ち上げ状況は変化した。2つの派閥があるといっても、そこまで強い結束を求められるものではないようで、今で見る石破派のように”冷や飯”を食わされる状況ではないようだ。

河上茂氏は自民党の千葉県連幹事長に就任しており、事実上の「自民党千葉県議会のボス」だ。幹事長に公認権があり強い権限を持つ。今回の千葉県知事の候補者選定に関しても一役買っている。しかしながら、候補者選定には大変苦労されたようだ。

石井準一参議院議員ってどんな人?
自由民主党所属の参議院議員(3期)、自由民主党参議院幹事長代理。浜田幸一衆議院議員の秘書を務め、29歳のとき千葉県議会議員選挙に出馬し、初当選。以後、5期20年にわたり千葉県議を務め、2007年に参議院選挙に初当選した。千葉県の選挙に詳しく、市議会議員選挙の応援にも駆け付けるほどで、懐の深い議員とも言える。千葉県への影響も強く、石井派の議員も多数。

人気の熊谷市長にどう対抗する?

千葉市で人気の熊谷市長だが、河上茂氏は、元民主党であり、森田知事批判が強い熊谷氏について若干の抵抗を示していた。自民党の候補を出したかったのだろうが、熊谷氏の人気は強く、熊谷氏に勝てる候補がなかなか見つからないのが現状だ。石井準一氏が熊谷氏を千葉県知事に推していたこともあり、状況は厳しいものだった。私の聞いた話では、鈴木大地氏の他にも、猪口参議院議員にも打診したらしいが、後者には断られたそうだ。鈴木大地氏もオリンピックを控えており、在任が長く続くと思われていただけに期待は薄かった。森田知事の再選も難しい。河上氏は熊谷氏に勝てる候補者選定にとても頭を悩ませていた。

しかし、ここで新たな政治の動きがあった。それは安倍総理の辞任である。新たな新総理を迎えることで鈴木大地氏はスポーツ庁長官を辞することとなった。そこで以前から打診していた知事選挙へマッチング。河上氏にとっては嬉しい誤算だ。安倍総理の辞任は千葉県知事選挙に影響を与えたのだ。

熊谷市長、予想外の事態!

多くの関係者に話を聞くと「熊谷市長は県知事を狙っている」と口を揃える。結果として出馬の意向を固めたが、知事に意欲があると以前からささやかれていた。ある市議に聞くと「前よりだいぶ自民党に寄ってきた、話を聞いてくれるようになった」と評した。自民党からの支援を貰おうとした動きが伺える。河上氏が選定に苦心していることは恐らく知っていたであろうし、石井準一氏からの推し、森田知事の「台風での不祥事」もあって、県知事への道が見えてきた。しかし、自民党の鈴木大地氏擁立へ調整という報道が入る。すかさず熊谷氏は出馬の意向を固めたが、熊谷氏にとっては予想外の展開となった。

今後の展望

現段階では五分五分の戦いになるのではないかと予想されている。熊谷氏は千葉市の人気が強い。千葉県の人口は627万人に対して千葉市の人口は97万人であり、6、7人に1人は千葉市民という計算になる。「鈴木大地は知名度もあるし、行政経験もあるが、政治家ではないところが弱い」と鈴木氏への批判もある。

立憲民主党の県連代表に就任する予定の生方幸夫衆院議員は東洋経済ONLINEの取材で「すんなり熊谷氏を応援しようということにはならない」と説明した。元々は同じ民主系のはずだが、立憲民主党が手放しで応援できないところを見ると、左派勢力とのすり合わせはうまくいっていないのだろう。しかし、かといって鈴木大地氏の支援に回るとは考えづらい。最終的には熊谷氏を支援する方向に向かうのではないだろうか。

自民党千葉県連会長の渡辺博道衆議院議員は「現職の判断が大事」と語っており、自民党としては鈴木大地氏への全面支援になる見通しだ。キーマンは石井準一氏。石井派がどのような動きを見せるかで勝敗は分かれるだろう。今後の動きに注目していきたい。

石破
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うの
薬学生/千葉自民党学生部部長。1998年千葉県生まれ。大学1年生の時に薗浦健太郎衆議院議員の講義を受けて政治の世界に興味を持つ。臼井正一県議会議員をはじめ、多くの県会議員に影響を受ける。「若者と政治を身近に」がモットー。専門は医療。新たな医療の可能性を模索し活動中。趣味はオーケストラ。楽器はバイオリン。

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