コラム

どうですか?「氏姓選択制」(By のろし)

ちょっとまった!「選択的夫婦別姓」

度々議論になる「選択的夫婦別姓」。これは,結婚に際して夫婦は氏をどちらか一方のものに統一しなければならないという現状を変え,統一しても,別々のままでもどちらでも良いという風にしようというものです。一見,氏を変えたいひとにとっても,変えたくない人にとってもメリットしかないようにも思いますが,私はこの「選択的夫婦別姓」に対して「氏の定義が曖昧になってしまう」という観点から慎重な立場を取りたいと思います。

失われた「氏」と「姓」の区別

前提として確認しておきたいのが,「氏」と「姓」の違いについてです。現在ではほぼ区別されていませんが、実は元々この2つは全く異なるものです。我々日本人が使っている「鈴木」とか「佐藤」といったものは「氏」にあたります。これは,夫婦で統一することになっていて,子供もそれを受け継ぐわけですから,基本的にその世帯に対してつけられる名前だということになります。一方「姓」というものもあります。こちらは現在の日本ではほぼ使われておらず、中国や韓国といった国で主に使われています。例えば,韓国大統領の文在寅氏の場合でいうと、「文」がこの姓にあたります。姓は、たとえ結婚してもお互い変わることはなく、子は基本的に父親のものを引き継ぎます。このことから、姓は原則として血統を表しているということが言えます。世帯を表す氏との決定的な違いはここにあります。

今でこそ氏と姓の区別はほぼなくなってしまいましたが,少なくとも戦時中まではこの2つの概念は厳然と区別されていました。その例としてもっともわかりやすいのが,「創氏改名」でしょう。創氏改名というのは、当時日本が統治していた朝鮮の人々に対し、日本式の名前を名乗るようにさせた制度のことです。(強制だったのかどうかという議論についてはここでは触れないことにします)この制度は氏を新たに作らせる「創氏」と、名を日本風に改める「改名」の2つから成り立っているわけですが、この「創氏」というのがまさにポイントです。朝鮮の人々は「姓」は持っていても「氏」は持っていません。そのため「改氏」でも「改姓」でもなく「創氏」だったのです。

壊れる「氏」の定義

ここまで、氏と姓の違いについて見てきましたが、では選択的夫婦別姓によって「氏の定義が曖昧になってしまう」とはどういうことなのでしょうか。(これまでの話に基づけば選択的夫婦別姓は「選択的夫婦別氏」と呼ぶのが正確ですが、一般的には「選択的夫婦別姓」と言われているのでそう呼びたいと思います)先程も述べたように、我々の名乗っている「氏」は世帯を表すものであり、夫婦で統一されるべきものです。そのため、これを無視して「選択的」に別々の場合もOKとしてしまうと氏の定義が完全に壊れてしまって「鈴木」や「佐藤」が何を表しているのか最早わからなくなってしまいます。選択的夫婦別姓の問題点はここあるのです。

氏の定義を壊さない解決策

しかし、選択的夫婦別姓の議論の経緯を考えれば一生同じ名前を名乗っていたいという需要は少なからずあり、それを無視するわけにはいきません。そこで私案として提示したいのが「氏姓選択制」です。これは,氏と姓の区別を現代的にアレンジした上で復活させ、両方とも戸籍に載るが名乗るのはどちらか選べるというものです。例えば,鈴木太郎さんと佐藤花子さんが結婚し、氏を鈴木に統一したという場合で考えてみると、

鈴木太郎(氏:鈴木、姓:鈴木)→鈴木太郎(氏:鈴木、姓:鈴木)
佐藤花子(氏:佐藤、姓:佐藤)→鈴木花子or佐藤花子(氏:鈴木、姓:佐藤)

といった感じになります。さらに、子の氏と姓は親の氏を受け継ぐので、この例では[氏:鈴木、姓:鈴木]となります。この仕組みであれば氏の定義を壊すことなく、しかも結婚しても名乗る名前を変えないという選択肢も用意できます。少々複雑かもしれませんが「氏姓選択制」、いかがでしょうか?

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のろし
現在大学2年生。2001年沖縄県生まれ。2019年,大学進学にあたり,暑くて海のきれいな沖縄から,寒くて高い山々のきれいな長野県で一人暮らし。昔から歴史に興味があり,現在大学では歴史学を専攻中。一方で,政治にも小さい頃からニュースを観るなど興味があり,大学1年生の頃にとある政治家にお会いしたことがきっかけで政治への思いがいっそう強まる。2020年,新しい形での発信による可能性を感じ,policyへと参加。政治や歴史について,自分なりの視点で記事の中で扱っていければと思います。

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