コラム

なぜ緊急時なのに国会が開かれないのか?(By IJUIN HIROKI)

国会開かなくて大丈夫?

そもそも国会の「会期」とは

まず日本の国会の基本的なルールから確認します。
日本の国会は選挙で選ばれてから任期終了までいつでも活動できる「常設制」ではなく、「会期制」という議会活動ができる期間を分けたものを採用しています。
会期には「常会」、「特別会」、「臨時会」の3つの種類があります。

常会 :毎年1回、新年1月に召集される。期間は150日。
特別会:衆議院解散総選挙から30日以内に召集される。期間は召集の度国会で決議
臨時会:内閣が臨時に召集を決定する。期間は召集の度に国会の議決で決議。

法律ではどう規定されているのか

今回はそのうち「臨時会」にあたるわけですが、法的根拠となる憲法53条、国会法3条にはこう書かれています。

日本国憲法第53条:内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
国会法第3条  :臨時会の召集の決定を要求するにはいずれかの議院の総議員の四分の一以上の議員が連名で、議長を経由して内閣に要求書を提出しなければならない。

つまり国会の多数派に属する会派の議員でなくても所定の要件を満たして必要な手続きを踏めば、本来臨時国会を開催できるはずだということがわかります。今回の野党の要望もこれを踏まえた行動でした。

ではなぜ今回のように規定された通りに動いても、すぐに臨時国会が開かれないのでしょうか。
その最大の原因は召集期日が定められていないことにあります。
これにより事実上内閣の判断で国会を開くタイミングが調整できるようになり、その時の内閣の支持率やスキャンダルなどの状況次第で要求から開催まで数か月を要することが珍しくなくなってしまっています。

今後の展開は

ただ、こうした状況にも少しづつ変化が生まれつつあります。
今年の6月に那覇地裁で行われた2017年に野党の臨時国会召集の要求に約3カ月応じなかったことの違憲性を問う訴訟では、野党側の損害賠償請求は棄却されたものの、判決内で「単なる政治的な義務にとどまらず、法的義務があると解される。違憲と評価される余地はあるといえる。」という指摘がされています。要求から開催に至るまでの期日を国会法などで定めるべきとの議論も行われています。
もっとも今回の場合、「審議する法案が定まっていない」、「新たに国会を開けば対策に奔走する官僚の足を引っ張る」という声もあり、法制度の運用のみに焦点を絞って話すのは適切ではないのかもしれません。
ただ事実として終わりの見えないコロナの感染拡大の中で、更なる支援を必要とする人々はたくさんいます。
長期に渡り過度な負担を強いられる医療福祉の関係者、存亡の危機とも言える状況になっているライブや演劇などに携わる方々、深刻な打撃を受けている観光業飲食業、困窮する学生たち。
検査の拡充や治療薬といったコロナそのものへの対策と合わせて、こうした苦しい立場の人々を救うことできる政策を一刻も早く進めることが、今は一番必要なことではないでしょうか。

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IJUIN HIROKI
IJUIN HIROKI
投票プロジェクト2020/プラットフォームU25/Public for future元メンバー/1998年宇都宮市で生まれ、東京都で育つ。首都圏の私立大学で政治を学んでいる大学生。2015年より若い世代が中心になった多くのSocial Actionに関わる。「社会的公正」という価値観を大切にしながら日々勉強中。

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