CULTURE

瑛人の「香水」を君は知っているか(By タカシ)

瑛人の「香水」って何?

ドルチェアンドガッバナーがやってきた

2020年を代表する音楽といえば、瑛人の香水となるのは間違いない。

2020年4月突如トップに躍り出たアーティスト・瑛人。

「この人は誰だ?」と思っているうちに、apple music、spotify、line musicといった各ストリーミングサービスで第一位を獲得した。

チャートに変化の予兆あり

「2019年:日本の音楽」と言われれば「King Gnu」と「official髭男dism」だった。

テレビやラジオでの露出が増え、世間からの注目度も一気に上がった。

SpotifyやAppleMusicなど各サブスクのチャートを見てもほとんどこの「四人組バンド」がTOPを占めていた。しかし、2020年の前半、「YOASOBI」「瑛人」がチャートTOPにランクイン。

2020年はまだまだ中盤だが、時代が動き出した感覚が確かにある。

「異色の存在」瑛人

今回、瑛人を取り上げるのは彼が「異色の存在」だからだ。

彼はどのレーベルにも属していない「本当に無名の状態から、一気にTOPに躍り出た」アーティストなのだ。

ちなみに、日本ではレーベル無所属のアーティストがチャート一位になるのは史上初めてのことだ。

先述したKing Gnuも、地道な音楽活動を重ねて注目を集め、レーベルとの契約を経てメディア露出が増えたことでその人気が爆発した。

「今のネット社会、レーベル契約やテレビ露出がそんなに大切か?」と思われるかもしれないが、大衆の注目を集めるためには現在もテレビやレーベルの力が重要だと言われている。

しかし、潮目が変わってきているのも事実だ。

例えば「Novelbright」というバンドは、去年の夏、突如、SNS上で路上ライブの映像がバズったことをきっかけに人気が出始めた。

彼らは、SNSを活用した戦略を練り、少しずつ知名度を上げていき、2019年度のバズリズムの「2020年にバズるアーティスト」の第一位に輝いた。

今年夏フェスがあれば、多くのステージを沸かせたことだろう。

SNS時代のスター誕生?

そんな「SNS時代」流れを決定づけたのが、今回紹介する瑛人。

この曲、ブレイクしたのは今年の4月。

では、その時期にリリースされたのかと思いきや、実は2019年の春から配信されている。

この曲は、1年間あまり注目を集めてこなかったのだ。

しかし、「TikTok」でこの曲をカバーや「歌ってみた」がたくさん配信されたことで流れが変わっていった。

そして、このブームは「FANTASTICS from EXILE TRIBE」の中島颯太が弾き語り動画を配信したことで、さらに広がっていった。

元々、コロナのなかで多くの人が自宅にいる中で、この曲はTikTokユーザー以外にも広がり、ついにチャート一位に輝いた。

彼は、戦略的にS N Sを使ったわけではないので「novelbright」とは、異なるが、SNSが普及して約10年立つ中で、やっと、SNSのシンデレラストーリーが誕生したことは感慨深い。

考察:香水と和歌

この曲は、サビの「ドルチェアンドガッバナー」のなんとも言えない、つい口ずさんでしまうような譜割りが特徴だ。

歌詞の物語としては、元カノからLINEが来たことを起点とする、元カノへの未練と、それを断ち切ろうという矛盾する思いを描いている。

香水の匂いと、元恋人という関係は、なんかよく聞いたことあるなと思ったが、

最古の元ネタはこれじゃないかなとふと思った。

さつきまつ はなたちばなの かをかげば むかしのひとの そでのかぞする

中高時代に古典の授業でやったことがある人もいるかもしれないが、この和歌は古今和歌集や伊勢物語に収録されていた歌で、意味は、5月に橘の匂いをかぐと、昔の恋人の香水の匂いを思い出す。というものである。

このように、香水の匂いと元恋人との関係は古典的なテーマなのだ。

香水はコロナ禍の話?

コロナ禍の中で、オンライン飲み会やオンライン授業の中で、様々な生活様式が変わっていった。コロナがなかったら、そろそろオリンピックだったのかと、ふと思い出してしまう。

香水は、そんなコロナがなければという話なのではないか?

何もなくても 楽しかった頃に戻りたいとかは思わないけど君の目を見ると思う

この話は、もちろん、元彼女との関係の頃に戻りたいという話だが、楽しかったコロナ以前の頃に戻りたいという思いは私達全体が共有している思いだろう。

ちなみに、歌詞に出てくるタバコと香水もコロナに関するキーワード。

友人やバイト先の社員の方と話していると、コロナで家にいることが増えたことで、

タバコを吸う量が増えてしまったという話をよく聞く。

これもある種のコロナの影響なのだろうか。

最後に香水について。

コロナの影響の中でも、オンラインで様々なことができることが証明された。

ただし唯一、オンラインで伝えることができないものそれが匂いだ。

匂いは、直接出会わないと伝えることができない。

その意味で、香水はコロナ以前の状態を示す象徴になっている、のかもしれない。

*ちなみに、この作品は2019年の作品なので、この解釈は1つのネタです。

あまり真剣にとらないでください。

ABOUT ME
タカシ
タカシ
湘南在住の学生ライター。99年生まれ。明治大学文学部生の21歳。西洋近代史専攻。 Z世代的視点で音楽、映画、小説といった様々な文化様式とU -25の関係をテーマとする。 文化とそこにある社会的なメッセージ、それを受けとる僕たちの世代の声。 そして、見落とされてしまいがちな小さき者の声をアンプリファーし社会に伝えて行く役割を果たしたいと思う。 扱って欲しいテーマや、ご意見などございましたら、@kuriya_freeの方にお寄せください。

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