コラム

小沢一郎『日本改造計画』27年前の壮大な夢①(By きづ)

小沢一郎

『日本改造計画』27年前の壮大な夢

日本改造計画

1993年の初夏、ある一冊の本が書店に並びました。
2ヶ月後、政権交代が起きました。

ある一冊の本とは、小沢一郎氏の『日本改造計画』です。70万部を超え、政治家が書いた本としては異例の大ベストセラーとなりました。タイトル通り、小沢氏の政治改革の指針を書いた本ですが、発売後27年たった今でも、たびたび言及される凄い本です。
本来なら、今すぐブラウザを閉じて、図書館で借りて読んでもらったほうが良いのですが、図書館が遠い人のために、ごく簡単に紹介させていただきます。

時代背景

平成の最初、世の中は大きく変わりつつありました。冷戦が終結しソ連が崩壊した一方で、国内ではリクルート事件(大学生の方ならリクルートっていう会社、聞いたことありますよね。そのリクルート社の会長が関連会社の値上がり確実な未公開株を政治家に配りまくって、国民の顰蹙をめっちゃ買った事件です。)をきっかけとして「政治改革」の機運が高まっていました。
93年5月、小沢氏は『日本改造計画』を出版、そして6月には宮沢内閣不信任案に賛成し、自民党を離党しました。自民党幹事長を40代でつとめた小沢氏が、自党の総理総裁に不信任をつきつけ離党した大義名分は「政治改革」にありました。そして、7月の総選挙で自民党は過半数割れし、8月には非自民連立の細川内閣が誕生しました。1955年の結党以来、38年間与党の座にあった自民党が初めて野党に転落したのです。

『日本改造計画』とは、総選挙という国民の審判の直前に提出された小沢氏による平成日本の設計図です。平成の間に実現した政策もあるし、実現しなかった政策もあります。
27年前、彼はいったい何を訴えたのでしょうか?
まえがきから見ていきましょう。

グランド・キャニオン

「米国アリゾナ州北部に有名なグランド・キャニオンがある。」

この本の一文目です。グランド・キャニオンは言わずと知れたアメリカの観光地ですね。自然が作り出した断崖絶壁がとても美しいです。そこで小沢氏は衝撃的な事実に気がつきます。

「転落を防ぐ柵が見当たらないのである。」
いや怖すぎるでしょ。落ちたら絶対死にます。
そして、日本だったらこんなのはありえないだろうと小沢氏は指摘します。日本人は当局に安全のための規制を求めるだろうと。当局も柵を作るだろう。だって、柵が無いために事故が起こったら、マスコミは柵をつくらなかった行政を叩くから。

日本では「大の大人が、レジャーという最も私的で自由な行動についてさえ、当局に安全を守ってもらい、それを当然視している。」
「これに対してアメリカでは、自分の安全は自分の責任で守っているわけである。」

このグランドキャニオンのくだりがこの本の最大の問題意識です。日本社会にはやたらと規制が多いし、日本人は規制を求めたがる。しかし、そんなことでは冷戦後の激動の世界を乗り切ることができない。国民は意識を改革し、自立すべきだということです。

「真に自由で民主的な社会を形成し、国家として自立するには、個人の自立をはからなければならない。」
「そのためには、まず『グランド・キャニオン』から柵を取り払い、個人に自己責任の自覚を求めることである。」

そして、この精神に基づき、三つの改革を唱えます。

・政治のリーダーシップの確立
・地方分権
・規制の撤廃

具体的にどんな政策を提案したのかは次回以降、ごくごく簡単に紹介したいと思います。

感想

いかがでしたか。グランド・キャニオンのくだりで、もう結構、好き嫌いが別れる考え方かもしれません。おそらく「規制の何が悪いねん」と感じる人もいると思います。でも、私の勝手な憶測を申し上げれば、最近の大学生とか若者は結構この本の考え方に共感する人が多いんじゃないかなと感じます。27年前に出版されましたが、今の若者が読んでも十分おもしろい本です。

あと、気になったんですが、今もグランド・キャニオンに柵は無いんでしょうか?
行ったことある人、ぜひ教えてください!

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きづ
きづ
98年奈良県生まれ。神戸大学在学中。奈良県在住なのに大阪の中高に通い、神戸の大学に通っています。ベッドタウン最高!

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